*--ありんこDiary--*

ICT機器活用サークル「ありんこ」のメンバーブログです。
閲覧はどなたでも出来ます。


conkoの「バスターミナル」14番のりば 耳で観る美術館ゆき  2020/05/14(木)
conkoの「バスターミナル」13番のりば なんでも商店ゆき  2020/05/13(水)
conkoの「バスターミナル」12番のりば 眠る町ゆき  2020/05/12(火)



conkoの「バスターミナル」14番のりば 耳で観る美術館ゆき
毎度ご乗車ありがとうございます。皆様は美術鑑賞などには興味を持っておられますか?
本日は一風変わった美術鑑賞法をご案内したいと思います。
あまり世の中の知名度は高くありませんが、こういった方法もあるのか、と感心されるかも知れませんね。
世界的に有名で、誰もが思い浮かべられる絵画と、あまり目にした事のない絵画作品とはイメージする事自体が違うものなんだとしみじみ実感されると思います。

さあ、ではご一緒に参りましょう。

ーーーーー


「耳で観る美術館」


私はキュレーターです。え?何、博物館や美術館なんかで仕事をしている学芸員ですよ。
資格を得てからもう何年になるかなあ。主に美術館の方で、絵画展の企画や作品の搬入、搬出なんかをやっています。他にもいろいろとあって、今日なんかは特別な美術鑑賞イベントを用意しているんですよ。
視覚障害者の人たちにも絵画の素晴らしさに触れていただこうと企画したものなんですがね、結構反響は大きいんですよ。え?ご存じないって?
まあ、そうかも知れませんね。世間的にはあまり知られていないイベントですから。
何ね、我々学芸員が作品の解説なんかをして、目が見えない人たちにも絵を味わってもらえるようにとサポートするんですよ。
いやあ、こちらもいい勉強になりますよ。実際、こんな事がありましてね。

もう二年前のイベントだったか、同じように視覚障害者の人たちへの鑑賞会を企画しましてね、一般のお客さんがあまり多くない時間帯と曜日を選んで実施したのだけど、その時は10名弱の鑑賞者が集まったかなあ。大体一人につき学芸員を一人担当させるのだけど、一つの作品に1、2分で通り過ぎるグループがいるかと思えば、けっこう作品に深く関心を持って、持論をぶつける鑑賞者もいましてね。たまたま私が担当した鑑賞者の人が結構絵画に関心があり、その人は全盲だったけど、見えていた時期もあったとかで、絵を自分でも描いていたらしいんです。だから絵に造詣が深く、作者の意図とか時代背景はどうだったのかとかいろいろと質問されましてね、私も答えに窮した事もありました。

例え熟練した学芸員でも、作品を完璧に説明して、相手に作品そのものをコピーのようにイメージしてもらう事はほとんど不可能ですね。
だってね、作品をAとすると、それを開設する我々の時点で、もうBというものに変化してしまう。それを聞く鑑賞者の頭の中にはもうCという絵になってしまうんですよ。鑑賞者には作品AがそのままAでイメージされないって事ですね。
ややこしいんですが、わかります?つまりね、作品を言葉で説明するってのは全く完璧にはできないって事ですよ。でもね、長年学芸員をやっていると、それも鑑賞法の一つかも知れないなと思えてきたんです。

どうですか?あなたも一度試してみませんか?美術館へ行って作品の前に立って、誰かからそれを言葉だけでの説明を聞く。もちろん目を閉じてですよ。いかがです?やってみませんか?
長年学芸員をしてきた私がサポート致しますよ。あ、あくまでも他のお客さんのご迷惑にならないように、静かにしゃべりますからね。よろしかったらいつでもどうぞ。
Date: 2020/05/14(木) No.1717


conkoの「バスターミナル」13番のりば なんでも商店ゆき
毎度ご乗車ありがとうございます。皆様、家にこもって暮らしていると、普段気にならなかった物が気になりかけていませんか?
けっこう不用品が多い事!そろそろ整理整頓でもしようかと思い始めていませんか?
そんなあなたに、とっても便利なお店をご紹介致しましょう。
これからバスでそこへ参ります。もし不用な物がございましたら、お持ちより願います。

ーーーーー


「なんでも商店」


壊れた物ならなんでも持ってきて下さい。それを素敵なものに作り替えます。
大きさは縦横50儖米發里發里如∪犬發琉娚亜
何でも500円で引き取ります。それがもし売れたら一割のキックバックありです!
さあ、いらっしゃい!

とある商店街の中にちょっと変わったお店がありました。
冒頭の言葉が大きなポスターに、デカデカト書いてありました。
一体何を売っているお店なのでしょうね。
何なら入って見てみましょうか?

さほど広くはない店内の奥にカウンターが設えてあります。
そこには店の亭主が立っています。あまりにこやかな顔ではありませんが、悪い人ではなさそうです。
カウンターの右横には商品の展示コーナーが作られており、何段かのシェルフの上に訳のわからない物やけっこう可愛い物が並べてあります。
それらの商品の一つ一つにポップカードが添えてあり、何やら書いてあります。
うん、どれどれ?

レトロな感じの目覚まし時計らしき物の前には「文字盤の数字で中の金額がわかる貯金箱に改造!1は1,000円です。2は2,000円。小さな点は200円ずつを意味します。12,000円がマックス!」と書いてありました。紙幣でもコインでもOKみたいです。
漆塗りのお盆に鏡が貼り付けてある物には「お出かけ前のひとチェック!玄関の壁に吊るせて便利!」とあります。
古いTシャツをクッションに作り替えた物には「あなたを優しく背中から包んでくれますよ♪」と、Tシャツの袖もそのまま生かして、クッションにひじ掛けがついているようなデザインになっています。
ええと、これは何ですか。ああ、使い切ったブランドのバッグが小さめのバックパックに変身しています。ポップカードには、「素敵なバッグが可愛いバックパックに!お子様におすすめ!」とありました。肩掛けには古いベルトを使用してあります。
わあ、これは何だ?どれどれ、なんて書いてある?「子供部屋で使ったスリッパがなんと壁掛け式の小物入れに!」と書いてあります。ああ、丁寧に内側には布を貼りなおして、一足そのままをウレタンボードに貼りつけてフックで引っかけるようにしてあります。
子供部屋で使えそうですね。
まだまだありそうですよ。どれどれ…。

このお店はカウンターの奥にいる亭主の奥さんが、とても器用な人で、客が持ち込んできた不用品をいろいろと面白い物に作り替えてしまうのです。
不用品、それも一部が壊れていても、傷んでいても大丈夫。奥さんのひらめきで素敵な物に大変身!
あなたもそういった物がありましたら、一度このお店を訪れてみてはいかがでしょうか。
Date: 2020/05/13(水) No.1714

No.1715 たなばた 2020/05/13/18:30:14
なんて見事なリメイク!
うちでも不要なものを探してみます。
毎日ワクワクするお話しを読ませていただき、ありがとうございます

No.1716 conko 2020/05/14/10:10:46
たなばたさん、いらっしゃいませ!毎度おおきに!
長い事使っていて愛着がわいた物ってなかなか捨てられませんよね。例え壊れてもどこかにしまっておきたいです。
着物などは小物やジャケット、またはベストなどにリメークされる人は決行おみえですね。
conkoんちにも不用品はかなりありそうです。


conkoの「バスターミナル」12番のりば 眠る町ゆき
毎度ご乗車ありがとうございます。このミステリーツアーもそろそろターニングポイントに差しかかろうとしております。
皆様にはもうだんだんと飽きてきて、眠くなっているのではありませんか?
ならば今日は眠っていただいてもかまいませんが、どうぞシートから転げ落ちないように気をつけてご乗車願います。

ーーーーー


「眠る町」

人々がふつうに暮らしている街中を巡回バスが走っています。
いつもの見慣れた風景に運転士も客たちもふつうに乗っています。
天気は朝から弱い雨が降っています。
バスはそんな雨の中をふつうに走っていました。

「やけに霧がかってきたなあ。見通しがだんだんと悪くなってきそうだぞ。」
運転士は独り言を言いました。
車内には客が10人ほどしか乗っていません。みんな窓の外を眺めるのを止めてしまいました。霧で何も見えなくなったからです。
次のバス停で運転士は車を止めました。乗る客は誰もいません。
この町は何も動きがないようです。建物も店も、喫茶店もクリニックも人の気配がありません。
「いつも通る所なのに、一体どうしたんだろう。」と運転士は不思議そうに周りを眺めていました。そして車内の客たちを見たらみんなシートにもたれて眠っていました。
眠っているというよりも、みんな動きが止まっているように見えるのです。
運転士は気味が悪くなって、シートの方へ行き、一人一人に声をかけました。でも、何の変化もありませんでした。

運転士は頭に手をやり、髪をモシャモシャとかきむしりました。
そのままバスを降りて町の様子を見に行きました。
店のドアを開けようとしても開きません。中に人はいるのに止まったままです。
隣の喫茶店に移り、ドアを開けようとしましたが、やはりだめでした。
すっと遠くを見たら歩道を歩いている人がいました。でもその人も止まっています。
運転士はまた頭をかきむしりました。
「一体どうなっているんだ?」
どうしようもないのでバスに戻って発車させました。何しろ何もかもが動いていないのです。そんな中をバスだけが走っています。

外はいつの間にか霧が晴れて、明るくなっていました。
まるで薄暗いトンネルを通り過ぎたかのように思え、運転士はまたぐるりと周りを見てみました。
景色はいつも通り慣れている所でした。何一つ変わっていません。
見慣れた建物。店。クリニック。大きな屋敷。小さな川と橋。
空には鳥が飛んでいます。建物の脇を通る小道を歩いている人がいます。
喫茶店からは何人かの人が出てきました。
バスの客たちを見てみると、ちゃんと動いています。隣同士でおしゃべりしている人、窓の外を眺めている人。
いつもの風景に戻っていました。
さっきの霧の中の風景は何だったのでしょうか。まるで写真を見ているような、そんな気がしました。
白昼夢。きっと運転士はその世界に入ってしまったのかも知れません。
皆さん、霧が濃い日は運転にご注意下さいね。白昼夢の世界に迷い込んでしまうかも知れませんよ。
Date: 2020/05/12(火) No.1709

No.1711 たなばた 2020/05/12/19:09:33
ひゃー、恐い。
どういった事から、この着想を得られたのですか?

No.1712 conko 2020/05/13/05:56:43
たなばたさん、お早うございます。コメントをありがとうです。
今回の発想は、ここだけのヒミツ。
写真ってその瞬間を凍らせたように止まっているでしょ?そんな世界に入っていたらおもしろいだろうなと思ったんです。
空想は自由自在です。だからメッチャ楽しいんですね。さて次は何が来るかな?お楽しみに!??

現行ログ/ [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27]
キーワードスペースで区切って複数指定可能 OR  AND
返信した方が修正・削除する場合(またはタグを効かせたい場合)
No. PASS

**HOME**
039722
[TOP] [LIST]
shiromuku(pl)DIARY version 2.70
このプログラムは上記のCGIを改造したものです。