世界から孤立・無援の安倍外交:内に民意を逆なでする 愚策の強行・国会の内外の議論無視:米国・大企業べったりで・独裁的 安倍外交八方ふさがり ロシア 北方領土返還交渉が進まず、日本は対ロ経済協力で歩み寄ったが、北方領土択捉島を4年ぶりにメドベーシェフ氏は2日訪れ「ここはわれわれの土地だ」とロシアの実効支配を強調した。これに対し抗議はしたものの「大したことはない」と重大視しないでこれまでのプーチンとの交渉に水を注したくないという思いをにじませる姿勢が、ロシア側を譲歩させるには至らず、交渉は暗礁に乗り上げている。 北朝鮮 日本人拉致問題も解決の糸口をつかめていない。安倍首相は条件をつけずに金委員長との会談を目指す方針を示し、強硬姿勢を一変させたが、北朝鮮から「厚かましい」と一蹴されたままだ。外相会談どころか事務レベルの協議も公式に行われていない。加えて、北朝鮮は、7月25日から立て続けに三回も短距離弾道ミサイルを発射して、技術を向上させている。 にもかかわらず、トランプ大統領は米本土に届かないミサイルは問題視せず、日本は北朝鮮に足元を見透かされている。暗礁に乗り上げてしまった。 韓 国 そんな中、北朝鮮問題で手を携えるはずの韓国に対して、安倍政権は貿易管理上の輸出優遇国から除外する政令改正を閣議決定した。 元徴用工問題をはじめとする歴史問題も絡み、日韓が避難の応酬を繰り返すなか、自治体間の交流や観光旅行の中止が拡大し、双方の経済に影響が出始めている。韓国が対抗措置として、日韓で軍事機密を共有するための軍事情報包括保護協定を更新しない可能性も浮上。 日韓の足並みの乱れを突くように、中国、ロシア軍機が7月下旬そろって日韓の防空識別圏に入り、北東アジアの安保環境の流動化が進む。 米 国 安倍首相の頼みのトランプ氏からは今後、日米貿易交渉で農畜産物を中心とした市場開放の早期妥結等を迫られるのは確実。日米安全保障条約に対する「不公平」との不満を背景に在日米軍駐留経費の増額を求められる可能性も高い。 首相は、秋の先進国会議・国連総会などの首脳外交の舞台に出席予定。一連の懸案に打開策を見出すのは容易ではなく、前途多難は当面続く。 安倍政権の対韓輸出規制拡大 ・・・誰も幸福にならない愚作・・・ 安倍政権による輸出規制や「ホワイト国」の除外などのやり方は、日韓関係に大きな打撃を与えるもののとして懸念しています。(以下:弁護士:大森典子さん) 五輪を前にケンかとは 平和と友好のスポーツ祭典であるオリンピックが来年、東京で開かれます。そのとき日本がケンカを仕掛けていいのか・・・。これには徴用工問題を知らない人でも、韓国が嫌いだという人でも一致できると思います。せめてオリンピックまでは新たな措置をとらず、お互いに知恵を絞り、話し合いで解決の道を探るべきです。 徴用工問題の解決には、まず安倍政権が植民地支配で朝鮮半島の人々の人権侵害したことを歴史の事実として認め、市民とも共有する事が大切です。当時、朝鮮半島から連れてこられた労働者たちは、非人間的な環境で過酷な労働を強いられました。 日本政府は請求権協定(1965年)で解決済みとしています。しかし、徴用工被害者が訴えているのは未払い給与ではなく非人道的労働に対する慰謝料です。請求権協定によっても、個人の請求権が消滅していないこと、裁判外で被害者が賠償金を受け取ることはできるということは、日本の最高裁判決(2007年4月27日の西松判決)でも認められています。安倍首相はこの判断を行政府の長として尊重すべきです。 個人の請求権は残っている 恵泉女学園大学の内海愛子さんは、 「1965年の「日韓請求権協定」で解決済みだと主張しますが、」当時の柳井俊二外務省条約局長も被害にあった個人の請求権は残ると国会で答弁しています。 個人の請求権に国家が前面に出てきてはいけないのです。 中国との間では、西松建設に対する最高裁の判決の付言で、個人の請求権は残る事を示して、西松建設は被害医者と和解しました。 中国との間でできたことが韓国にはできないのか。徴用工の関わった企業と被害当事者達で解決すればいいのです。 以上の協定の基本に立てない、阿部首相の稚拙な外交は、誰も幸せにならない。 強権と行き詰まり安倍改憲 ・・・萩生田氏の議長交代発言・・・広がる批判・・・ ―撤回も謝罪もせずー 自民党の萩生田光一幹事長代行が、衆参の憲法審査会で改憲案策定の論議を促進する狙いから衆院議長の交代論に言及〔7月26日ネット番組〕したー。 ・・・有力な方を議長において憲法改正シフトを国会が行っていくのが極めて大事・・・ これに対して、野党側からは厳しい批判、与党内からも異論が出るなど、参院選後の安倍改憲路線が早くも行き詰まりを見せています。 共産党の小池局長は29日の記者会見で「自民党の改憲策動というものは、自分達が立てた議長が邪魔になるくらい行き詰まっているということだ。いよいよ改憲が行き詰まっている」と指摘。「そもそも首相側近が議長人事に口を出すこと自体が、議会制民主主義の根本、三権分立の根本的な理念を踏みにじるものだとし、「言語道断」と批判しました。 この強権発言に、二階幹事長から「立場を考えて慎重に」と注意したと30日の記者会見で明らかにした。撤回も謝罪もしていない。 石場茂る元幹事長は、30日の講演で「一党の幹事長代行が議長人事に口を出すとは恐ろしいことだ」と非難。立憲民主党の福山哲夫幹事長も「非常に不届きで立場をわきまえない発言だ」と反発した。 首相に近いものの発言だけに、真意をいぶかる声も絶えない。福山氏は「安倍政権が憲法について乱暴な国会運営をする意思表示だ」疑念を示した。自民党内からは、「官邸と筋書きを描いているのではないか」との憶測も出始め、政府高官は「大島氏に感謝してる」と火消走った。 安倍首相の上からの改憲押し付け強硬姿勢と、焦りをあらわにしたもので、放置できないものです。 変革もとめる民意尊重を!! 参院選で改憲勢力は、その発議に必要な三分の二を割り込んだ。・・・与党内にこの結果を受け『勝利感がない』・・・1人区10敗で与党に衝撃が走った。 自民党関係者の一人は、「3分の2」のためには、みずから設定し自民党の総力を投入した「激戦区」は、絶対に取りこぼしの許せないところだった。と苦渋の表情を見せました。 自民党の総力の実態 @公示日以降、安倍は激戦区に2度入り、さらに政権と自民党幹部を連続投入。徹底的なテコ入れ、組織の引き締めを図りました。 A菅官房長官は、各県に赴くと「まっすぐ公明党のところえいき、協力を最大限稼動させた」 B新潟では、日本会議勢力もそのジャーナリスト桜井よし子を20日に送り込み必死になった。・・・ここまでやって勝てなかった。3分の2を失った。勝利感はない。知事選・市長選で勝ち一定の歯止めを掛けた、3度目の参院選で勝てば共闘はつぶれる・・・そういってあれだけ幹部がしゃかりきになって押しかけてきた。自民県議の1人は語る、安倍さんは原発の問題でも、地方経済の問題でも人々に寄り添う人ではない。それで「憲法改正」と叫んでも、保守の人たちには響かないし、動かせない」 出口調査で、 有権者が重視した政策は「年金」が46%「改憲の是非」は15%に留まった。改憲を争点に投票したわけではないという調査結果は重たい。 にもかかわらず審判(民意)を逆さに描く安倍首相、「性急な改憲ノー」こそ民意!!(赤旗24日) 安倍が22日に改めて改憲に固執した。「選挙結果にかかわらず改憲をごり押し」しようとしている。このような見出しで、ワシントンポスト、ニュウヨーク・タイムスの海外メデイアは報じたという。安倍首相がながらく温めてきた改憲の目標に向けての後退となる結果』にもかかわらず『安倍首相は諦めていない』・・(横暴な態度)と伝えた。 むろん、老若男女が政治変革を強く求める時代背景があるが、「長期一強政権」を支持する底流として、みずからに一票で政治は変わらないとする現状肯定の無力感があるとすれば心配である。投票を棄権した大学院生は、「この選挙で自民優勢が覆るとは思えなかった」と述べていたという。政治の活力が失われているがゆえの現状肯定であれば、与野党共通の課題であると強調した。(中日新聞23日社説) 権力者安倍の上から目線の政治である、これまでの横暴な政権運営の継続は危険この上ない。民意を参酌考慮することを拒否していくからである。 安倍は22日の選挙結果を受けての会見で、『性急な改憲ノー』こそ民意であるのに、それを平気で敢えて逆さに描いて「国民からの力強い信任を得た」として、「すくなくとも『議論を行うべきだ』これが国民の審判」と発言。「令和の時代にふさわしい、憲法改正案の策定に向かって・・・強いリーダーシップを発揮していく決意だ」とのべ、「任期中の改憲に」強い執念を見せました。 民意の「外」から見れば 安倍首相は、選挙結果・三分の二がどうであれ、選挙後とにかく改憲に突き進む腹積もりだった。選挙期間中、率直に改憲したいと訴えるより、「改憲を議論する政党・候補か、議論しない政党・候補か」と繰り返していました。仮に3分の二を割っても、与党が勝ちさえすれば「議論を行うべきだ、が国民の審判」と主張できる。これが周到に練った戦略だった。 もはや首相の選挙の視座は、「国民の審判」や「民意」の外にあり視覚トリックでだまし、改憲に突き進むことであった。 実際、記者会見で首相は、「国民民主党の中には議論すべきだというかたがたがいる。」今後、「議論する」を誘い水に、何人か(あるいは丸ごと)改憲勢力に取り込む戦略です。数議席足りなかった三分の二を、文字通り、選挙・・民意の外で達成してしまおうというのですから、いうなれば、首相の目には「国民民主党」は見えていても、「国民」は見えていないということになります。 そもそもなぜ改憲しなければならないのでしょうか。国民から強い要請があるわけでない、どころか、反対が多いのに。さらに、民法番組では、国会発議と国民投票を「私の任期中に何とか実現したい」と言いました。なぜ国の大事をなすのに、「私の任期中」なのか。もはや、「なぜか改憲するのか」はどこかえふっとんで、「どう改憲するのか」ではなく、ただ「自分の手で改憲する」こと自体が目的になっているように聞こえなくもありません。 やはり首相の立位置、見ている場所が間違っている。民意の“外”にいるからです。 (中日新聞28日社説) これに、野党共闘の一角を少なくとも担った国民民主党の玉木代表は、早々と25日放送のインターネット番組で、「私は生まれ変わった。議論は進める。安倍首相にもぶっける。」と『性急な改憲ノー』こそ民意に反する横暴な議論への仕掛けに乗ってしまう危うさを覗かせた。 民意を尊重する政治への転換に向け、野党共闘の力強い歩みを、早急につよめなければならないのではないでしょうか。 少数意見にも耳傾けて(小党が比例議席) 参院選の比例代表で、国政初挑戦の二つの政治団体がそれぞれ議席を獲得した。 「政治の安定」を声高に叫ばれ、小数意見は軽視されがちだが、もっと耳を傾けるべきだ、という国民の声ではないか。 「令和新撰組」が2議席・・・公約第一に消費税廃止・・・「NHKから国民を守る党」が1議席・・・NHK受信料を支払った人だけが視聴できる、スクランブル放送の実現を訴えた。両党は、得票率2%を上回り法律上の政党要件も満たした。両党が議席を得たのは、多数決原理のもとで少数意見を切り捨てるなという民意だろう。 平成の政治改革は、衆院への小選挙区制導入など、民意を集約して黒白をはっきりつけることに力点が置かれ、多様な意見は切り捨てられる方向にあった。「1人区」が32にまで増え多様な意見の切捨てを加速させていまいか。 参議院選挙制度は、一票の不平等解消を含め改革が急務だ。多様な民意をより反映できる制度を目指したらどうか。 (中日新聞23日社説)       自衛隊明記の賛否拮抗 参院議員調査  共同通信社は第25回参院選の立候補者に実施したアンケートのうち当選者と、非改選議員の回答合計百八十二人分をまとめ、新たな参院の姿を探った。 安倍首相〔自民総裁〕が提唱した憲法九条に自衛隊を明記する憲法改正案への賛成、反対はそれぞれ35.7%と拮抗した。賛成派のうち95.4%を自民党議員が占めた。立憲民主、国民民主、両党は何れもゼロ。 自衛隊明記案への賛成の割合は、自民78.5%、公明は5.0%、日本維新の会14.3%、であり                 改憲の幅広い合意形成の難しさが鮮明になった。 改憲論議の要否 改憲論議について「必要だ」は65.4%で、「不要だ」は19.2%だった。 参院選後の優先課題は社会保障改革が最多の50.0パーセントで、景気対策45.1%、子育て支援33.5パーセント、憲法改正は8.2%だった。  ここでも改憲の幅広い合意形成の難しさが鮮明になった。 (中日新聞27日総合2より)