変革もとめる民意尊重を!! 参院選で改憲勢力は、その発議に必要な三分の二を割り込んだ。・・・与党内にこの結果を受け『勝利感がない』・・・1人区10敗で与党に衝撃が走った。 自民党関係者の一人は、「3分の2」のためには、みずから設定し自民党の総力を投入した「激戦区」は、絶対に取りこぼしの許せないところだった。と苦渋の表情を見せました。 自民党の総力の実態 @公示日以降、安倍は激戦区に2度入り、さらに政権と自民党幹部を連続投入。徹底的なテコ入れ、組織の引き締めを図りました。 A菅官房長官は、各県に赴くと「まっすぐ公明党のところえいき、協力を最大限稼動させた」 B新潟では、日本会議勢力もそのジャーナリスト桜井よし子を20日に送り込み必死になった。・・・ここまでやって勝てなかった。3分の2を失った。勝利感はない。知事選・市長選で勝ち一定の歯止めを掛けた、3度目の参院選で勝てば共闘はつぶれる・・・そういってあれだけ幹部がしゃかりきになって押しかけてきた。自民県議の1人は語る、安倍さんは原発の問題でも、地方経済の問題でも人々に寄り添う人ではない。それで「憲法改正」と叫んでも、保守の人たちには響かないし、動かせない」 出口調査で、 有権者が重視した政策は「年金」が46%「改憲の是非」は15%に留まった。改憲を争点に投票したわけではないという調査結果は重たい。 にもかかわらず審判(民意)を逆さに描く安倍首相、「性急な改憲ノー」こそ民意!!(赤旗24日) 安倍が22日に改めて改憲に固執した。「選挙結果にかかわらず改憲をごり押し」しようとしている。このような見出しで、ワシントンポスト、ニュウヨーク・タイムスの海外メデイアは報じたという。安倍首相がながらく温めてきた改憲の目標に向けての後退となる結果』にもかかわらず『安倍首相は諦めていない』・・(横暴な態度)と伝えた。 むろん、老若男女が政治変革を強く求める時代背景があるが、「長期一強政権」を支持する底流として、みずからに一票で政治は変わらないとする現状肯定の無力感があるとすれば心配である。投票を棄権した大学院生は、「この選挙で自民優勢が覆るとは思えなかった」と述べていたという。政治の活力が失われているがゆえの現状肯定であれば、与野党共通の課題であると強調した。(中日新聞23日社説) 権力者安倍の上から目線の政治である、これまでの横暴な政権運営の継続は危険この上ない。民意を参酌考慮することを拒否していくからである。 安倍は22日の選挙結果を受けての会見で、『性急な改憲ノー』こそ民意であるのに、それを平気で敢えて逆さに描いて「国民からの力強い信任を得た」として、「すくなくとも『議論を行うべきだ』これが国民の審判」と発言。「令和の時代にふさわしい、憲法改正案の策定に向かって・・・強いリーダーシップを発揮していく決意だ」とのべ、「任期中の改憲に」強い執念を見せました。 民意の「外」から見れば 安倍首相は、選挙結果・三分の二がどうであれ、選挙後とにかく改憲に突き進む腹積もりだった。選挙期間中、率直に改憲したいと訴えるより、「改憲を議論する政党・候補か、議論しない政党・候補か」と繰り返していました。仮に3分の二を割っても、与党が勝ちさえすれば「議論を行うべきだ、が国民の審判」と主張できる。これが周到に練った戦略だった。 もはや首相の選挙の視座は、「国民の審判」や「民意」の外にあり視覚トリックでだまし、改憲に突き進むことであった。 実際、記者会見で首相は、「国民民主党の中には議論すべきだというかたがたがいる。」今後、「議論する」を誘い水に、何人か(あるいは丸ごと)改憲勢力に取り込む戦略です。数議席足りなかった三分の二を、文字通り、選挙・・民意の外で達成してしまおうというのですから、いうなれば、首相の目には「国民民主党」は見えていても、「国民」は見えていないということになります。 そもそもなぜ改憲しなければならないのでしょうか。国民から強い要請があるわけでない、どころか、反対が多いのに。さらに、民法番組では、国会発議と国民投票を「私の任期中に何とか実現したい」と言いました。なぜ国の大事をなすのに、「私の任期中」なのか。もはや、「なぜか改憲するのか」はどこかえふっとんで、「どう改憲するのか」ではなく、ただ「自分の手で改憲する」こと自体が目的になっているように聞こえなくもありません。 やはり首相の立位置、見ている場所が間違っている。民意の“外”にいるからです。 (中日新聞28日社説) これに、野党共闘の一角を少なくとも担った国民民主党の玉木代表は、早々と25日放送のインターネット番組で、「私は生まれ変わった。議論は進める。安倍首相にもぶっける。」と『性急な改憲ノー』こそ民意に反する横暴な議論への仕掛けに乗ってしまう危うさを覗かせた。 民意を尊重する政治への転換に向け、野党共闘の力強い歩みを、早急につよめなければならないのではないでしょうか。 少数意見にも耳傾けて(小党が比例議席) 参院選の比例代表で、国政初挑戦の二つの政治団体がそれぞれ議席を獲得した。 「政治の安定」を声高に叫ばれ、小数意見は軽視されがちだが、もっと耳を傾けるべきだ、という国民の声ではないか。 「令和新撰組」が2議席・・・公約第一に消費税廃止・・・「NHKから国民を守る党」が1議席・・・NHK受信料を支払った人だけが視聴できる、スクランブル放送の実現を訴えた。両党は、得票率2%を上回り法律上の政党要件も満たした。両党が議席を得たのは、多数決原理のもとで少数意見を切り捨てるなという民意だろう。 平成の政治改革は、衆院への小選挙区制導入など、民意を集約して黒白をはっきりつけることに力点が置かれ、多様な意見は切り捨てられる方向にあった。「1人区」が32にまで増え多様な意見の切捨てを加速させていまいか。 参議院選挙制度は、一票の不平等解消を含め改革が急務だ。多様な民意をより反映できる制度を目指したらどうか。 (中日新聞23日社説)       自衛隊明記の賛否拮抗 参院議員調査  共同通信社は第25回参院選の立候補者に実施したアンケートのうち当選者と、非改選議員の回答合計百八十二人分をまとめ、新たな参院の姿を探った。 安倍首相〔自民総裁〕が提唱した憲法九条に自衛隊を明記する憲法改正案への賛成、反対はそれぞれ35.7%と拮抗した。賛成派のうち95.4%を自民党議員が占めた。立憲民主、国民民主、両党は何れもゼロ。 自衛隊明記案への賛成の割合は、自民78.5%、公明は5.0%、日本維新の会14.3%、であり                 改憲の幅広い合意形成の難しさが鮮明になった。 改憲論議の要否 改憲論議について「必要だ」は65.4%で、「不要だ」は19.2%だった。 参院選後の優先課題は社会保障改革が最多の50.0パーセントで、景気対策45.1%、子育て支援33.5パーセント、憲法改正は8.2%だった。  ここでも改憲の幅広い合意形成の難しさが鮮明になった。 (中日新聞27日総合2より)